ビルマ子どもの日によせて

ビルマでは、2月13日(独立の父、アウンサン将軍の誕生日)は、子どもの日です。以前は、この時期になると、ビルマ全土で子どもの弁論大会などが行われ、お祭りの期間となっていました。しかし、1988年の軍事クーデター以来、子どもの祭典は催されなくなりました。ビルマでは、人口の1/3が18歳未満の子どもです。この子どもたちの将来が、今とても心配されています。

少年兵

ビルマ軍用車に乗る少年兵たち

国際人権団体ヒューマン・ライト・ウォッチの報告によると、現在、世界には約30万の少年兵(18歳未満)がいて、うち7万人がビルマ軍に所属しています。
ビルマ軍政のテインセイン中佐は、2月3日、ビルマ軍には少年兵はいないと発表し、ビルマで人権状況の調査にあたっている人々は、当局を非難するために、虚偽の報告をしていると話しました。
しかし、ビルマの国境地帯には、ビルマ軍から逃走した子どもがたくさんいます。ビルマでは、登校中の子どもや遊んでいる子どもが、軍に拉致され、そのまま入隊を強制されています。最年少の少年兵は9歳との報告があります。また、ビルマには、ビルマ国軍と対抗する少数民族武装勢力があり、このなかにも少年兵がいます。
2月9日、国連の子どもと武力紛争に関する事務総長特別代表が、子どもを徴兵したり虐待している政府や武装勢力などに制裁を求める報告書を発表し、23日から安全保障理事会で協議されることになりました。ビルマも、この報告書に、制裁の対象国として含まれています。

教育と社会環境

ビルマには、1988年の軍事クーデターまで、イェーニュンという軍学校がありました。自由意思で入学する学校で、学生数は約100人、生活費が支給されるため、孤児や貧しい家の子供たちが通っていました。学生は戦闘に加わらず、卒業後、軍隊に入隊するか否かを、選択することができました。しかし現在は、ビルマ軍において、子どもが実戦に参加しています。

ごみを拾い集めて
“なんでも屋”に売りに来る

ビルマ国内では、小学校を卒業した子どもの半数は、家庭や経済の問題から、進学できません。このような子どもたちは、喫茶店やレストラン、建設現場、港、駅、バス停、小路で、働いたり、クズを集めたりします。家庭の事情などで、幼い頃から就学をあきらめて、仏門に入り、尼や僧侶になる子どもも増えています。

出家した少女たち

一方では、シンガポールやイギリスに留学する子どもや、国内の外資系プライベートスクールに、多額の費用をかけて通う子どもたちがいます。軍事クーデター以降、経済構造が市場経済へと変化するなかで、中産階級は消え、社会は、富裕階層と貧困階層との2つに分かれつつあります

ビルマの将来を担うのは…

1988年から16年の間には、孤児や5歳未満で死亡する子どもが増えました。2002年の国の医療・教育費はGDPの僅か0.27%、この年のGDPの約50%を軍事費が占めています。軍部が政権をにぎり、無計画な国策が続くなら、ビルマの次世代は一体どのようになってしまうのか、とても不安です。
軍は国民を護り、政治は政治家が行う時代が、一日もはやくビルマに来ることを願わずにはいられません。

2005年2月14日

記事一覧に戻る