国連安保理ビルマ問題採決における中国・ロシアの拒否権行使について

2007年1月12日、国連安全保障理事会において、ビルマ軍事政権に「政治囚の無条件解放・民主化促進・少数民族迫害の停止」を求めて米国と英国が提出した決議案の採決が行われましたが、常任理事国の中国とロシアが拒否権を行使したため、廃案となりました。
採決では、米英仏など9カ国が賛成、中露と南アフリカ共和国の3カ国が反対、インドネシア、カタール、コンゴ共和国の3カ国が棄権しました。単純な票数からすれば賛成票が勝ったわけです。常任理事国の中国とロシアが拒否権を行使したことについて、ビルマ国民たちは、たいへんに失望しました。また、軍事政権による人権侵害等によって国外に住まざるを得なくなってしまっている、世界各国のビルマ人たちからは、両国に対する非難の声があがっています。長年にわたる過酷な軍政のために、ビルマ国民は、自国の問題ながらも自らで解決できない状況になっています。近隣地域のASEANにおいても、介入が難しい問題として状況は拘泥し、問題解決には国連の介入が必要と、期待が高まっていたところだったのです。

中国とロシアによれば、人権問題は安保理の所管ではなく、ビルマの問題は世界の平和と安全への脅威ではないとのことです。
しかしながら、ビルマ軍事政権による長年の人権侵害のため、世界各国に流出している難民・移民労働者のこと、ビルマから流出し続けている麻薬のこと、国内での解決が困難なAIDSや結核のこと、ビルマ軍事政権がいっそう軍備強化し核開発実験の実現をめざしていることなどは、地域のみならず世界の平和と安全を脅かしているとはいえないでしょうか。

今回の、中国とロシアの拒否権行使は、両国政府に次のような印象を与えました。ビルマ国民5400万人以上が苦しんでいることには目を向けず、自国とビルマ軍事政権との結びつきのみを重視した。具体的に言えば、中国は、悪政によって経済発展が遅れているビルマという経済市場、武器販売市場、現在のビルマ国内港湾使用権の存続、天然資源の流入、などを望んでいるために、ビルマにこのまま軍政が続き、民主化しないことを願っているという印象です。ロシアも、ビルマという経済市場、武器販売市場、ビルマ軍政との核開発のため、同様に願っているということです。

私たち、国民の平和と安全を望むビルマ人たちは、中国やロシアの国民の方々に次のように伝えたいです。「中国、ロシアの国民の皆さん、あなた自身は、国家権力による人権侵害をどのように考えますか? あなた方の国の政府は、ビルマでの国家権力による人権侵害を、深刻な問題として扱おうとしてくれません。もしも、あなたが、ビルマ国民の人権侵害からの解放を願われるようでしたら、どうぞ、あなたの国の政府に、その意思を伝えてください。」

日本の皆様も、どうか、ビルマが一日も早く民主化されるように、ご協力をお願い致します。

2007年1月21日

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